【ハラスメント】

 今、急速に、世界中に新しい動きが広がっています。

女性を男性の性的ないやがらせや力の行使から守ろうというものです。 

被害にあっても黙っていた女性がこんなにもいたのか、と驚くばかりです。 

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ハリウッドの映画監督ハーヴェイ・ワインスタインの女優への性的いやがらせに対するある女優のクレームが公になると、即座に、アンジェリーナ・ジョリーとかグウィネス・パルトローといった有名女優たちが「私たちもその被害にあった」と声をあげたことから、あっという間に70人近い人たちが、私も彼にレープされた! ハラスメントを受けた!と声をあげています。 

それだけでは済まず、有名な男優が次から次と加害者として名を上げられ、イギリスの議会では何人かの議員や大臣すらも、過去の行為が公になるなり退任。

 パリの街中では、”Me Too! Moi-Aussi(私も)” のプラカードを掲げてたくさんの女性がデモ行進。

アメリカでは、あちらこちらの都市で、”Enough is Enough”(もうたくさんだよ!)の大行進。巨大な力で人々を支配してきた大物たちの逮捕も間近かもしれないとのニュースも出始めています。 

その勢いは、止まるところを知りません。ソーシャル・メディアの力は、本当にすごいものです。 

インドやバングラデシュでのレープ事件は日常のように起こり、ラテンアメリカでは女性への性的あるいは暴力がまるでそれが当たり前のことかのように頻繁に起こっています。

 DV(家庭内暴力)も、そのほとんどが、男性による妻や子どもへの力の行使です。 

DVは、オーストラリアでも頻繁に起こり、夫から避難する女性に10日間仕事を休むことができるような補助金を与える法案が議会に提出されるというニュースもあります。 

 

わずかここ2週間の間に、男性から女性への力の支配をストップさせようとする運動が、まるで大きな波のうねりのように世界中に広がっている様子は、いかにその被害にあっている人々が多いかということを如実に物語っています。 

身体的な力が強いだけではありません。

職場の上司の多くのは男性であり、利害関係があったり、昇進の機会がかかっていたりすれば、嫌でもノーが言えないという精神状況に女性を追い込んでいきます。女優たちが、次の役や映画出演の機会が監督次第であれば、屈辱を忍ばざるをえないというのと同じです。 

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家事と育児に勤しみ、収入のある仕事を持っていなければ、夫の好き放題にされても、強気には出られないかもしれません。 

ハラスメントや差別は、世界のどこでも、誰にも起こる セクシュアル・ハラスメントは、たまたま男女間のことですが、世の中のあらゆるいじめは、それとまったく同じ原理で起こります。 

人をいじめることに快感を覚え、相手よりも自分を優位に置きたいと思う人間は、自分よりも弱そうな立場にある人間を選び、自分独りでは心もとないと思えば、仲間を集め、集団で誰かをいじめます。あるいは、襲います。 

社会のあらゆる場所で、老若男女を問わず、東西南北を問わず、民族や人種を問わず、人間が集団でいるところすべての場所、すべての人々の間で起こりうることであり、実際に、あらゆるところで起こっていることです。警察で、病院で、司法界で、企業で、学校で、PTAなどの組織で、町内会で、とどこであってもいじめは発生し、力関係を競います。

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その一番大規模なのが、国家間の力の競争です。高じれば、戦争となります。 14年前、イラク戦争がいかにして戦争という状態に持ち込まれたかを連日違う国のニュースを追いながらつぶさに追った過程において、戦争というのは、こんなにも簡単に、そして、本当にわずかな人々の決定において決まるものなのだということをしみじみと感じました。

 恐怖を煽るだけ煽り、巨大な情報操作により、相手国を悪者に仕立て、存在しないものまで証拠として仕立て(イラク戦争の場合には、戦争が起こってから次々と英米の間違いが指摘され、その責任を問われてもそれはいつの間にかうやむや)、戦争を起こすことを正当化していきます。 誰かが、戦争をするという「選択」をしなければ、戦争は起こりません。 

一旦起こったら、70年以上も経った今でも第二次大戦の心の傷の重荷を負う人々がたくさんいて、ベトナム戦争での枯れ葉剤散布の影響は、現在生まれて来る子どもたちにさえも奇形をもたらし、帰還したアメリカ兵たちの多くは、PTSD (心的外傷後ストレス障害)で、以前の生活や人々との関係に戻ることができないでいます。

そして、その間に、一体、何百万の一般市民が、苦しみながら、怨みながら、命を消していったことか!

 戦争は、人々の幸せを根こそぎ奪うものです。

そして、その傷は、何十年経っても癒されるものではありません。

同様に、いじめも、暴力も、虐待も、いやがらせも、力による支配は、決して、人を幸福にしません。それが、家庭の中に存在したら、いつも何かに怯え、本当の自分を生きることができなくなります。

 大国が、強大な経済力、軍事力で、世界を目くらまし、自分たちを守ってもらうためには服従の姿勢見せなければならない状況に弱者が陥れられるのと構図は同じです。 それに歯向かえば、とんでもないことが待っているかもしれないからです。

家庭なら、愛する人を「愛」で変えることができると思いたいですよね、でも、それには、専門家の助けが要りましょう。

というのは、暴力で人を抑えたい人は、人をコントロールすることで自分を守り、互いを同等に尊重することを学んでこなかった人でしょうから、それ以外の方法を知らないと言っても言い過ぎではありませんでしょう。

その人たち自身の多くが、暴力やいじめの被害者であると言えます。私が知っているケースでは、受けていなかったという例がありません。だから、暴力(身体的/精神的)が、生活の中の一部としてずっと現存していたということになります。

大人になってから、互いに尊重する姿勢を学ぶ、愛を通して幸せを得ることを新しく学ぶことは、とても難しく、専門家の導きがなければほぼ不可能なことかもしれません。

さらに悲劇なのは、いじめられる側が、罪悪感を持ってしまうことです。

自分が悪いのではないか、自分の言動で相手を怒らせてしまっているのではないかと思い込むようになり、相手の心証を悪くしないように、相手の琴線に触れないようにと、そればかりを気にして振る舞うようになってしまうかもしれません。

「ストップ」「ノー」など、到底言えない、という状況に追い込まれていくのです。相手からも、そして、自分の中でも。

そうなると、いじめる側もいじめられる側も、幸せからは遠ざかるばかりです。

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理由は、本当にいろいろにあるのでしょうが、こういうことを考えてみてください。冷たい言い方であったら、ごめんなさい。でも、無視できない事実があるのです。

夫の支配的な態度や、身体的なあるいは言葉による暴力、あるいは、外に愛人を持つといった夫の理不尽に目をつぶり、自己の尊厳を殺して耐えるというのであれば、それは、妻となっている方の「選択」です。

意識している、していないに関わらず、「選択」なのです。

それに対して何もしないことも選択。同じことを継続させるのも選択。

結婚を守るためかもしれません。

子どもたちを守るためかもしれません。

抵抗したら、暴力がもっとひどくなり、自分が愛されなくなる、捨てられるかもしれない、という恐怖からかもしれません。

あるいは、人生なんてこんなもの、とあきらめてしまっているのかもしれません。

本当に愛されていたら、暴力は起こらないはずなのですが、愛とは関係なく、夫である人は、自分の力を感じるため、自分がコントロールを持ちたいという自分のことだけで精一杯で、妻の気持を思いやったり、妻の尊厳を守ることなど、まったく頭に無いと言えます。

その鱗片でもあれば、そういう言動は取らないでしょうから。

人によっては、それが「愛」のひとつの形だと思っている人もいます。

でも、一番の理由は、その方法しか知らない、ということなのです。

アルコール依存症と同様、その瞬間から目覚めた後には、極端に優しくなることが多いということなので、支配される側は、完全に混乱し、それが間違ったことだと自分のために立ち上がれない理由のひとつなのかもしれません。

でも、思い出していただきたいのは、

その環境で育った子どもたちは、大きな傷を心に負うということです。そして、常に、なんらかのストレスの下で暮らすようになるということです。

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彼らにとっては、その人間関係のはざまにあることも、暴力を受けることも、「選択」ではなく、余儀なく押し付けられたものだからです。

 

子どもの力ではどうしようもなく、傷つき、悲しみながら、無理矢理にそこに引き込まれたものです。

それに対する彼らの抵抗、傷の深さは、いろいろな形で現れてきます。

小中高の時代であれば、

·       勉強に集中できない

·       感情が激しく揺れ動く

·       不安に思うことが多い

·       親に対する反抗

·       自傷行為に走る

·       人々から距離を置く

·       ひきこもる

(注:こういうことが見られたら家庭内に暴力があるというわけではなく、家庭内に暴力や力の支配がある場合には、往々にしてこうした形で現れてくるということです)

子どもたちは、そういう姿勢で自分の身を守ろうとしているのでしょうが、大人から見たら望ましい姿勢ではないので、それに苛立ち、責め、怒り、あきらめ、果ては、病気だと診断してもらって病気のせいにし、そういう子どもの状態が夫婦のけんかの材料となり(大抵は、母親の教育が悪いと責められるのが落ちなのでしょうが)、悪循環に陥っていくのではないでしょうか。

子どもたちにとってさらに不幸なことは、暴力を振るうのは、必ずしも父親だけでなく、母親の場合もあることです。

暴力を受けた子どもたちは、大人になった時に暴力を振るう可能性を自分の中に持つようになります。

あるいは、暴力を受けやすい環境に自分を置くようになる可能性はとても大きいのです。

両親が使っていた言葉をそのまま相手にぶつければ、言葉の暴力も起こります。

これは、子どもたちのせいではないのです。

そうした方法しか学ばせてもらえなかったのですから。

でも、恋人を持つ前に、そして、結婚する前に、その負の財産から自分を解放しておかないと、悲劇は、次世代でもまた繰り返されることとなります。

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明るい未来の夢を描けないまま夢を捨ててしまう若者がいる一方、アンソニー・ロビンスやオプラ・ウィンフリーのように、本当に悲惨な子ども時代を経て、世界の何億という人々に希望を与える輝かしい存在になっている人々もいます。

その違いは、どこから来るのでしょうか?

◎      両親が、夫婦の、そして、家族全員の、幸せを築くための道を選択し、子どもたちを支援する方法で接する。

これは、子どもたちがまだ自立の年齢に達していない時には、すばらしい効果を発揮します。

o   ヘルプが得られるところに相談する勇気が要ります。

o   生き方の姿勢を変える努力が要ります。

o   家族みんなの協力が要ります。

でも、これをすることで、子どもたちの未来のしあわせの強固な土台ができます。

◎      自分の力で、そこから抜け出す(自立の年齢に達していたら)。

o   人生は、自分で作るもの。

o   未来は、自分次第。

o   過去を責めても、人を責めても、そこから生まれてくるのはマイナスのエネルギーだけ。

o   自分を支配しようとする人からは物理的な距離を置く(必要な時間だけ)。

o   過去は、理由がわかれば理解ができ、寛大になれる。

o   命を授かったこと、それまで育てていただいたことに感謝する気持を持つ。

その渦中にあるときは、不可能と思えるかもしれないけれど、その方向に向けて自分の気持を整えていくことは、長い人生のその後に自分の気持にも、また、周囲との人間関係において和をもたらすために、とても大事なことだから。

o   一歩を踏み出す。                           その一歩は、自分のためではなく、人のためになること、人が喜ぶことを選ぶ。

なぜなら、自分がどう変わるかを考えている間はなかなか変われないのに反し、人に恩恵をもたらす行動をすることがすぐに良い効果を自分にももたらすということを多くの人々がすでに体験しているから。

o   毎日が新しいチャンス。                       自分の世界を広げることができる。同時に、始めたことは習慣化し継続していくことで自分の力を積み上げていくことができる。。

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力を自分に戻す、付けることで、心も体も軽くなり、自分の中にみなぎるエネルギーを感じることができるようになるでしょう。

実際にそのすばらしい変化を感じられてみえる方々は少なくありません。もし、あなたがヘビーなものを抱えてみえるのであれば、ぜひ、新しい道を開いていってください。ご自分のために、そして、周りのみなさんのために。

 

 

 

 

 

投稿者: 原田房枝

An author, life coach, counsellor, and co-founding director of ICET (Inter-Cultural Education Today), a specialised program for Japanese students studying in Australia. Over twenty years she has worked with hundreds of students and parents, establishing a unique education program focused on language learning, as well as cultural understanding and personal development. Her coaching seminars guide families in how to strengthen their relationships and build happiness, especially with teenagers. She has lived in Sydney since 1980.

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