「子ども時代は、大人になるためのリハーサル」
とてもすてきに響きませんか、この言葉?
3歳の時に、このまま大人になった困る兆候が見えた時、どうするか?
デニーデンの研究の研究者たちは、解決があると言います。
「生来のパーソナリティを変えるというのではない。
でも、
行動と、それに対する周りの反応を変えることで、行動を変えることは可能。
そして、
それによって、もっと上手に社会に適応していく方法を身に付けていくことが可能」と。
「子どもの将来を決めるのは、生来のパーソナリティとは限らない、環境が大きく影響するということがわかったことが、この研究の大きな成果のひとつ。」
子どもは、何でも覚える。子どもには、何でも教えることができる。
早ければ早いほどいいのです。
以前、生まれて数ヶ月の間に、自分の反応で人が動くことを自覚することが、その後の自我形成の上で極めて大事であるということを「ブカレストの早期介入プログラム」のところでお話したことがあります。
子どもの頭は、なんでも吸収していきます。感動的であり、恐ろしいほどに。
神経科学の分野でも、人間は、脳のどの神経を刺激し、強めていくかで、そこが発達していく、だから、強めたいところは、どんどんと使うことで強めよ、と。
「子ども時代は、大人になるための練習期間」
「フルドレスでのリハーサルの時」
つまり、子ども時代の体験のすべてが、大人になる準備なわけです。
ということは、生まれてきた子どもたちに、どんな環境、体験の場を作り出すかということが、大人の役目となります。
そんなこと、分かり切ったこと、と思われるかもしれません。
でも、小中学校で、学級崩壊(この言葉は1997年頃から使われるようになったようです)が起こるようになり始めた頃から、幼稚園でも、先生の手に負えない子どもたちが増えてきたと理解しています。
20年後の今も続いています。
そして、児童虐待も増えています。
ひきこもりの数も増えています。
ということは、子どもたちの大人になるためのリハーサルが上手に行っていないケースがあまりにもたくさんあるということです。
リハーサルの内容が、甘やかされ続け「私の勝手デショ」になった子どもに振り回されるものなのか、テレビやコンピューターゲームが子どもの遊びの主なのか、モデルとなる模範が周りにないのか。。。
これが原因!というものはなく、様々な要素が複雑に絡み合って生まれてきている現象でしょうが、人間が社会を形成し、人間は、その時代の社会の産物です。
全国的規模で起こっているということは、日本の文化、教育制度、社会的風潮など、人々に共通するものが上手に噛み合わず、その歪みの膿が、「子どもたちの荒れ」という形で表れたものと思います。
その後ろには、軸を失い、どうしていいのかわからず、戸惑う大人たちの姿があります。家庭でも、学校でも。
リハーサルの内容をいいものにすることは、親御さんだけに託されることではなく、国家全体、社会全体が「早期介入」に取り組むべきことなのです。でも、社会全体が、どうしていいのかわからない状態にある今、
せめても、これから結婚される方々、そして、子育て真っ最中の方々にその意識を喚起できたらと思います。