森林の奥に突如現れたのは…

偶然か、それとも、引き寄せ?

クイーンズランド州のサンシャイン・コーストの山林側ヒンターランドには、小さな集落が散らばっている。

Eudlo (ユーディロ)は、そうしたひとつで、山林の中にある人口1200人にも満たない集落。名前は、この地帯の先住民の言葉で、「真水に棲むうなぎ」という意味なのだそう。

なぜ、この集落に足を入れることになったのかというと、そこにパーマカルチャーのプログラムを教えていた農園があるということで、その施設や造園設備を見せてもらいたいと思って訪ねてみることにしたからである。

樹木の中のくねくねと曲がる道路を潜り抜けていくと、仏教寺の看板があった。

お寺? こんなところに?

ちょうど、ストレッチをするにもいいタイミング。車から降りて、森林の中に開けられている砂利道を歩き、それに続く階段を登ることにした。

階段に沿ってこんなメッセージが立てられている。

Bodhicitta ボディチタ ????? 初めて目にする文字。

Bodhicitta = 菩提心 = Enlightenment in Buddihism

菩提心:「さとり(菩提,bodhi)を求める心(citta)のこと。 または「生きとし生けるものすべての幸せのため、自分自身が仏陀の境地を目指す」という請願と、その実現にむけて行動する意図をいう。 大乗仏教に特有の用語である。」

「混迷も、苦悩も、病気も、死も、悟りを得るための道にあり、悟りに至ることで、そうしたことが消えてなくなっていく。」

「痛みも不幸も、恐怖も捨て去ることができる」

看板の文字を読みながら、1歳半児の歩調に合わせて、オッチオッチと階段を登る。

小さな子どもは、大人よりもむしろ自然に、そして、簡単に、天界や自然界の

小さな子どもは、大人よりもむしろ自然に、そして、簡単に、天界や自然界の精霊たちと交流できるという人たちもいる。

ドライブ中に眠ってしまっていたので、目覚めるのを待ち、私と二人だけで後ろから歩む。

看板の文字を読んだり、日本語で、「か ん の ん さま」、「ほ と け さま」といった言葉を発すると、言葉によってはそれに近い音をだしたり、リズムやイントネーションを真似る。

もしも、神様というようなものが存在するのであれば、どんな、交信をしているのだろう… 何を心の中に、取り入れているのだろう….

そんなことを考えているうちに、突然に目の前に見えたのがこれ!

突然浮上したなんともかわいらしい仏舎利塔

驚きで目を見張る幼子の感動は、なんとも新鮮でかわいい!

信仰の力はすごい

驚きは、さらに続く。

坂道は、さらに奥にと続く。

もっと奥に奥にと進むと、御伽噺の中に迷い込んだかと思うような光景が浮かび上がってきた。

まるで御伽話の世界に迷い込んだよう

中心の仏舎利塔を囲むように8つ仏舎利塔が建立されている。

ブッダの誕生から涅槃に至るまでの道のりを8つの仏舎利塔で表されている。例えば、1と8。

シダルターの誕生。3層の段は、蓮の葉っぱを表すという。
涅槃に入られたブッダ。玉座に座る図。

すべての仏舎利塔がそれぞれに違い、それぞれの意味を持つ。

人生で起こることには、自分の足りないもの、自分に無いものがやってくるとよく言われる。

このお寺に偶然にも導かれてきたのは、菩提心を磨けよ、というメッセージを得るためだったのだろう。

Enlightenmentという言葉は、現在でも、自分を啓蒙して目覚めさせていく言葉として盛んでに使われているが、通常、17世記から18世紀にかけてヨーロッパで起こった啓蒙思想の流れて使われているので、ここで、あえて、仏教の啓蒙(悟り)として別物として説明されていることは興味深かった。

信仰心は、こんな場所にこんなすごいものを築くことができるのだ!

チェンレジグと読むのだろうか、このお寺CHENREZIG INSTITUTEの全容と詳細は、こちらから。

https://www.chenrezig.com.au/#slider-full-width

ちなみに、目的地であったパーマカルチャーの農園は、朽ちて荒れ果て、かつての評判を偲ばせるようなものは何もなかった。

でも、おかげで、こんな魔法のような世界に遭遇できた。

これも仏様のお導き。感謝して、そこを後にする。