スイスの精神科医/心理学者カール・ユングが、「外向性」「内向性」という言葉を使い始めて約百年。

言葉は社会に浸透しているものの、それが実際何を意味するのか、どのように人々の行動や考え方に表れるのかは、よくわかっていないのが実態です。

むしろ、誤解だらけです、特に、内向性に関しては。

よくあるのは、「口下手」「シャイ」「人付き合いが悪い」「孤独な人」「想像の世界にいる人」「コミュニケーションが上手にできない」等々。

ご自分が、あるいは、お子さんが内向的だとお悩みの方は、ぜひ、こちらもお読みください。 控えめな子どもたち(ダニーデンの研究から)

これが、脳波で説明ができるようになったのです。南カルフォルニアの大学で教鞭を執っているダリオ・ナーディ博士のお陰で。

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私自身は、自分が内向的な性格だとわかったのは、2000年に、MBTIという心理タイプ(性格)判断を受け、その後にユングの「心理タイプ」について学び始めた時からなのですが、それまでは、内向的、外向的など、考えたこともありませんでした。

心理テストなどでは、外向きの要素が何も出てこないほどに内向きの極を行くのですが、実生活においては、私が内向的な性格だと言っても、「まさか〜」「ありえない!」と一蹴され、当時も、そして、今も最初は信じてもらえません(笑)。

私が内向的な性格だとわかっていたのは、私の娘だけで、極めて近い距離で一緒に仕事や活動をしている人々にも、私は、外向的な性格だと映っていたようです。

自分が内向的な性格だとは意識したことがなかったので、あえて外向的に振る舞っていたわけではなく、自然にそうなっていたのですが、そう言われていろいろ振り返ってみえると、ああ、そう言えば、というような場面がいろいろ出てきます。

例えば、自宅に人様をお呼びした際。

ある時、「どうして手伝いたいという人たちに手伝ってもらわないの? キッチンから出てきて、もっとゲストとお話したら?」と娘から言われたことがありました。もう昔の話です。

お呼びした方々が、新しいつながりができ、それぞれに楽しみ、おしゃべりに興じてくだされば、パーティの目的は達成。おいしい、おいしい、とあがってくだされば、なお結構。

私自身は、キッチンに留まる時間が多く、お手伝いしましょうと来てくださる方があると、大丈夫、大丈夫と、押し返します。それも、かなり無理矢理に。

それが、「内向性」の仕業だったのだとわかった時には、自分で笑ってしまいました。

自分でお呼びしておきながら、普段1対1の会話を好むので、あちらに数人、こちらに数人というふうになると、そこでの話題に混じれず、おざなりのお愛想的会話になってしまうので、そのぎこちなさを避けるために、文字通りお鍋の中に顔を入れ、味作りを楽しむことで一息入れているわけです。だから、そんな瞬間にどなたかが見えると、その独りの空間がなくなってしまうために、要らない、大丈夫、と押し返してしまうのです。(笑)

では、人といることを楽しまないのか、と言ったら、そうではないのです。好むから、人様をお呼びするわけで、普段、人といろいろな活動をすることも、話をすることも大好きです。大勢の方々の前でお話することに気後れするわけでもありません。

それは、私が内向的だからといっても、いつも常に、内向的な状態でいるというわけではなく、私が内向的になるのは、自分が普段一番好んで使っている機能 ー 独りで静かなところで、物理的/人的/時間的な制限のないところで、自由に自分の想いに浸りたいという機能 ー が内向きなために、「内向的」な性格となるのですが、普段、人が周りにいる際には、私の人と一緒にいたい、人のために何かしたい、社会に貢献したいという私のFeelerとしての機能が外に向けて全開するので、そのときは、あたかも外向的な性格であるように見えるのです。

ユングは、それぞれに外向、内向のエネルギーがついている8つの機能(詳細は別の折に)があり、人は、そのうちのひとつを最も好んで使うので、それが人生を支配する機能となり、それが、それが内向きなエネルギーを持つのであれば内向的な性格に、それが外向的なエネルギーを持つのであれば外向的な性格として現れてくるとしています

そして、残りの7つの機能のうちから、好んで使うものが軸を支え、それら8つの組み合わせが、それぞれの個性なり、1番手だけでなく、残りのいろいろな機能を上手に仕えるようになることが人の成長であり、より豊かな人生にと導くものである、としています。

(これは、徐徐に触れていきますね)

 

1921年にユングの「心理タイプ」がチューリッヒで出版され、その後、アメリカでキャサリン・ブリッグズとイサベラ・マイヤーズの母娘により、それを基にMBTIという心理テストが開発されました。

折しもアメリカは第二次大戦に突入する時で、イサベラは、このテストを使うことで、軍隊での人員配置に役立つのではないかと提案。例えば、物資の調達を得意とする人と前線で活躍する人では、当然、性格が違うだろう、と。

戦後、テストは改訂を重ね、世界に急速に広がっていきました。

個々の持つ性格が浮き彫りに出てくることにより、自分をよりよく理解するためにも、また、周りの人々への理解を深めることにも役立ち、学習や生活のクオリティを高め、人間関係をよりよいものにすることができます。

その一方で、間違った使い方によって、人間を枠に入れてしまうとか、そのタイプが判明したことで仕事選びが不利になったといった否定的な面に対する批判も出ています。

心理タイプ、性格判断と聞いただけで、うさん臭いと思う人もいます。

だから、ユングの説には科学的な根拠があったのだということは、画期的なことなのです。

ナーディ博士は、脳波にユングの心理タイプが何らかの形で表れるのではないかという前提に基づき、大学生を中心にEEG実験を行いました。

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そして。。。。

様々なことに対する頭脳の部分の反応の違いから、

なんと、脳波に、パーソナリティが浮き彫りになることがわかったのです!

その内容を発表したのが、下記の本です。

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もし、電磁波で脳波をキャッチするようなことが100年前に可能だったら、ユングの研究は、一体、どんな展開を見せたでしょう。

世界中の人々がもっと寛大に違いを受け入れ、互いに優しく、和を重んじる社会が形成されていたかもしれません。

 

内向的と外向的な違いを説明するのも、なかなか難しいのですが、ここでもナーディ博士の研究によって、大きな違いがあることが明白に出ています。

博士の説明は、「通常の生活で長期に使っている脳神経の回路が、(内向なり外向なり)自分の好みを裏付けている」という表現を使っています。

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(この写真は、”Our Brains in Color”というナーディ博士の著書から。)

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図の 左側の脳波と回路は、五感で情報を得、価値観に基づき人々への影響を考えて物事を判断する外向性の特徴を持った女性のものです。(この方の場合、一番好んで使う機能 ー 今この瞬間の物理的環境に関心を向け、そこにあるもののすべてをすばやく五感で感じ取る ー が外向きに働くので、外向的となります。さらに、それは、人に向けて動いているので、状況をシンクロし、人々に耳を傾け、同情し、人々のために率先して動く機能が働いています。)

 右側の脳波と回路は、形のないものから概念的なひらめきによって情報を得、内省的な思考や分析を通して物事を判断する機能が内向的に使っているので、得た情報を判断し、分析し、理解するために脳の様々な部分を結んでいます。この方が、数日誰とも話さず、物を言わない方かもしれないことは想像にかたくありません。

アインシュタインのように、真理の追求のために、何年も思考の中にこもっていることだってあるわけです。

 

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外向的な傾向を持つ人々は、反応が早く、物事を行うスピードも早く、受け答えも早いのが特徴です。質問されれば、喜んで答え、尋ねられていないこともたくさん話すかもしれません。

それは、この脳波からもよく見えます。大脳新皮質の最も額に近い部分は、脳の司令塔で、命令を下すところです。そこに近い神経の動きが活溌であれば、反応も行動も早いことは、充分に頷けます。

 

Fp1が働くと:

  • 集中する。
  • (選択の中から選んで)決める。
  • 結果を出すことを考え、頭が鋭利に動く。
  • 気を散らす邪魔なことや批判を避ける。
  • 原則に従って現状を評価する。
  • 間違いに気付き、訂正する。
  • 必要なこと、ゴール、アイディアを明瞭にする。
  • 準備する。
  • 自信を示す。

使い過ぎると、頑になり、情報を取り入れようとしなくなるかもしれない。

 

Fp2が働くと:

  • 新しいデーターや体験を拒まない。
  • 刺激的なアイディアや活動を模索する。
  • 創造的なプロセスに従事する。
  • ごちゃごちゃに混ぜ合わせ、そこから組み合わせを作る。
  • 状況をすり抜け、(決断し実行するための)必要な情報が出そろったことがわかる。
  • 新しい情報を吟味し、自覚を高めるために批判を受け止め掘り下げる。
  • 自然で正直な表現をする。

使い過ぎると、課題から逸れてしまうかもしれない。

 

内向的な傾向をもつ人々は、考えてから言葉を選んでものを言い、判断に時間をかけ、従って、考えを行動を移すにも時間が要ります。質問されれば、注意深く答え、いくつも続いて質問されると、答えに詰まってしまうかもしれません。

 

この図を見れば、脳波が様々な領域で複雑に絡み合い、しかも、頭脳の後ろ側、つまり司令塔から離れたところで活溌に動いているので、司令塔に届くまでには、時間がかかるわけです。しかしながら、思考や感情を表に出さなければ、何も起こらないということもわかります。

 

こんなふうに脳波の動きに出てくるなんて、本当に感動的です!

 

外向的な傾向を持つ人々は、外の世界に関心を持っている(それ故に「外向」という言葉が使われます)ので、自分の周りで何が起こっているのか、誰が何をしているのかといったことが気になります。そして、起こっていることに飛び込んで行きます。

内向的な傾向をもつ人々は、自分の頭の中で考えていることや、心の中で感じていることに関心がある(だから「内向」という言葉が使われます)ので、周りで起こっていることにはあまり関心を示しません。賑やかで騒々しいところからは、できるだけ離れようとするでしょう。

私もそうです。騒音のあるところや、人ごみからは、自然に足が遠のきます。

考えをまとめるまでに時間がかかり、大勢いるところでは、考えをまとめることができず、独りになって静かなところにいると、考えがまとまってきます。だから、本当に大事な決定は、他の人々と関連する場合には、独りの時間を持てるまで、時間の余裕をもらいます。

 

 

外向的な人々の言葉や行動は、他の人々によく見えます。だから、その人のことがわかりやすいのですが、内向的な人々は、言葉が少なく、行動も比較的静かなので、他の人々には、よくわかりません。

頭の中が非常に忙しく動いていても、何かに夢中になっていても、心の感情の襞が非常に細やかに織りなされていても、すばらしい考えやアイディアがたくさん頭の中を巡っていても、改革的な青写真が描かれていても、シンボリックなイメージが駆け巡っていても、周りの人々にはわかりません。

それ故に、内向的な人々は、何も考えていないように見えてしまったり、ぼんやりとしているように見えてしまうこともあります。

隠すつもりなどまるっきりなく、話すことを思いつかないだけのことが、秘密主義に映ったり、夢想が激しく足が地についていないと言われたり、ひどい場合には、「足りない」「おかしい」「病的だ」とまで言われたりすることもあるでしょう。

「普通」というイメージにあてはまらないだけのことで。

 

内向的な人たちは、外向的な人々の賑やかでスピードのある言動に往々にしてフラストレーションやストレスを感じます。

 外向的な人々は、内向的な人々とスピードやリズムが合わないために、イライラすることがあります。何よりも、事が即座に起こらないことや、口数が少ないために、相手の気持や考えがよくわからないことにイライラします。

日常で大事なことは、内向性と外向性は、見えなくても、まったく違うものであることを理解し、お互いにできるだけの交流を持ちながらも、それぞれが自然に好む姿勢を尊重することが大事です。

とはいえ、子どもが小さな時には、親子が一緒に遊んで過ごす時間を持ち、共有の趣味や話題を持ち、たくさんの話をする習慣を作り、子どもの好奇心を広げ、内向的であっても外の世界との交流を図ることができるようにすることは、とてもとても大事なことです。

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同じ内向的な性質であっても、人や人間関係に関心がある人たち(Feelers) は、自然に人に惹き付けられていくので、他の人々との交流が増えていきます。その分だけ、負担になってしまわないように注意する必要はあっても、人を支援し、育てることで、自分も成長していきます。

一方、人よりも、動物の生態、物事の構成や成り立ち、社会全体の動きや仕組み、学説、ルールや原則などに関心のある人たち(Thinkers) は、自分の思考に全面的に集中するために、いわゆる社会生活の上での人との交流(基本的な挨拶から始まり、潤滑油となるような会話、一緒にする活動や遊び)にも、生活上の物理的な管理などにもほとんど関心を示さないかもしれません。

完全に自分の世界に閉じこもり、周りにいる人たちさえシャットアウトするかもしれません。意図的ではなくても、結果的にそうなってしまいます。

何度も登場してもらいますが、アインシュタインは、その典型例です。

その人たちを通常の社会生活のおしゃべりに引っ張り出すのはとても難しいことですが、でも、彼らが関心を持つことに話題を向ければ、2時間でも3時間でも夢中で話をすることはよくあることです。

今の時代は、ほとんど話さず、通常の社会生活に関心を示さなかったり、何かに夢中になっているので必要とされることを忘れてしまったり、人と交わらず独りで遊んでいるような子どもたちは、「発達障害」にされかねないのが現状です。

こうした特徴を持つ子どもたちを、それがどこから来るのかを理解しないまま、30分程度の診察で、簡単に、「発達障害」としてしまうことは、とても恐ろしいことで、大きな危険を感じざるを得ません。

アインシュタインも、トーマス・エディソンも、啄木も、ファーブルも、今の時代に生きていたら、間違いなく「発達障害」とされたことでしょう。もし、そうだとしたら、世界を変えた彼らの発明もなければ、後世に残る文学も生まれなかったかもしれません。

あるがままに家族、特に、母親に大事にされたことで、彼らの才能が温存され、開花したのではないでしょうか。

彼らにとって、一番必要なのは、批判する人ではなく、理解して暮れる人です。(それは、万人にとって必要なことですよね)

中高生の若者たち、そして、すでに成人されてみえる内向的な方々で、日々人々に囲まれ、交流を余儀なくされている環境にいる場合には、1日のどの部分でもいいので、独りの空間を作ることが極めて大事です。

特に、人と関わることが好き、そして、人のために動くことが好きという人々は、自然に人と一緒にいる時間が長くなり、同時に、自分のニーズを抑えて人のために尽くしたい気持が募り、限界を超えてもノーと言えない人々の場合にはなおさら、独りの時間をあえて作り出すことが重要となってきます。

 

なぜなら、独りになることでエネルギーを回復することができるからです。その時間を作らないまま、何週間も、何ヶ月も、さらに、何年も無理をし続けると、それが自分を蝕むストレスになっているとも気付かず、神経と体を蝕まれ、最終的には病気になるからです。隔離されるような重病に陥ることだってあるのです。

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独りの時間が欲しいということは、言いにくいかもしれません。相手に失礼ではないかと気遣ったり、嫌われてしまうのではないかと心配したりして。

特に、Feelersは。

独りの時間が必要、と誰に遠慮することもなく、特に、自分に遠慮することなく、自由に言えるようになるといいですね。

最初は、ジョーク的でもいいので、口に出してみてはどうでしょうか。周りの人々の理解がじきに得られるようになるでしょう。独りの時間から戻った時に、爽やかなエネルギーで戻ってくることがわかればなおさらのこと。

独りになりたいのに言えないために、いろいろな工夫をしたりする必要も無く、ストレスでイライラすることも少なくなるでしょう。

 

1日の中で、毎日、どこかで、10分でも、30分でも、その時間を作って、できるだけ頻繁に、エネルギーの回復を図ることが、健康的なメンタルヘルスを保つ秘訣です。

休憩時間に花屋さんを覗くのもいい、公園で独りでランチを食べるのもいい、空を見上げ流れる雲を見るのもいい、散歩するのもいい、ガーデニングをするのもいい、瞑想するのもいい。

 

外向的な人々にとっては、長い時間独りでいると、退屈したり、寂しくなったり、苦痛を感じるかもしれません。Feelersなら、仲間ができる同好会やコミュニティの活動やボランティア活動に参加して、一緒に社会に貢献し、独りの時間が多くなったら、普段読まない本を読んだり、アートなどクリエーティブな時間を持つといいでしょう。ダンスや家の模様替えや料理など身体を動かす活動もいいでしょう。Thinkerならば、新しいプロジェクトや発明したいものを考案する時間に仕えます。

 

 

内向的、外向的に関わらず、大事なことは、自分のニーズをしっかりと知ることで、そのニーズを満たし、自分をケアすることです。

自分のケアがしっかりとできていれば、常に良いエネルギーに満たされ、ポジティブなエネルギーで周りの人々と接することができます。

 

飛行機の酸素マスクの原理です。まず、自分。それから、子どもたちと周りの人々。

この原理に長い間疑問を抱いていたのですが、もう15年ほど前になりますか、手首にヒビを入れ、普段10分でできることが1時間もかかり、生活の全ての部分で支障が出たことで、初めてその意味を理解しました。私にとっては、とても、象徴的なできごとだったのです。

それは、身体的なことだけでなく、精神的なことにもあてはまることです。精神的なことは目に見えないだけに、余計に注意が必要です。

どうぞ、ご自分を大事にされてください。それは、身勝手でもなく、わがままでもなく、最終的に、周りの人々全員に恩恵が巡ることです。

自分を知り、人を理解する。

それが、お互いを支援することにつながります。そして、しあわせにもつながっていきます。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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