子育ては、人生の最高で最大の、事業。
こんなすばらしいことはない!
わかっている、それは。
でも、どうにもなく辛くなる時がある。
とっても悲しくなって、絶望的になることだってある。
どうすりゃいいの、こんな時?
例えばね、
おっぱいも飲んでいる、おむつもきれい、それなのに泣いている。
なんで泣いているの?
何が欲しいの?
どこか痛いの?
あっ、また起きた!
あと1時間、1時間だけでいいから眠らせて!!!
赤ちゃんが眠っている時でさえも、ママの神経は休まる時がない。
24時間、独りになる時間がないことが、どれほど大変なことか、
自分のしたいことをする時間がないことが、どれほど辛いことか、誰も教えてくれなかった!!
(子どもが)自由に動けるようになれば、
なんで、ダメだということを、何回も、何回も、繰り返すのよ??!!
旦那さんは、どこ?
早く帰って来て!
もうちょっと手伝ってほしいなあああ!!
ああああ!!!!
もう、泣きたい!!
こんな瞬間、きっとどなたにもあることでしょう。
でも、赤ちゃんの、お子さんのなんとも言えなくかわいい笑顔が向けられ、天使のような寝顔を見ると、ママの気持ちは、また、リセットされるのですよね。
どんなに大変であっても。。。
ところで、堪忍袋の緒が切れた時、疲れ切った時、そして、絶望的になった時、どうしたらいいのでしょう。
今この瞬間、世界中で、誰よりも、何よりも大事なのは、あなたに前にいるお子さんです。
それ以上に大事なものは、世の中にないのです。
後の事は、どんなに重大であっても、二の次、三の次、どうにでもなるのです。
そのことをしっかりと常に念頭においておくことです。どんな瞬間にも。
まず、
-
体の力を抜くこと
- 深呼吸して、落ち着く。
- 肩の力を抜き、頭に昇った自分の感情を抜く。
- 自分のしていること、しようとしていることにストップをかける。
それが、怒り、子どもに当たる、子どもに怒鳴る、子どもに手を挙げる、
ということになりそうな場合には、特に!
自分が後で後悔するようなことをしないで済むように。
後に子どもの心に傷を残してしまわないように。
-
子どもの目線に合わせて、しゃがむ。
子どもがいたずらするのは、ママを困らせるためではありません。
もっとも、ママの反応を見ることはあっても、困らせるという概念は、幼児の頃は、まだ、発達していませんでしょう。
子どものいたずらは、好奇心の発露です。
どこまでできるかの試行錯誤です。
自分の世界を広げるためです。
この試行錯誤があって、子どもは、やる気があり、チャレンジ精神に満ちた、そして、健全でしあわせな青年、大人に育っていきます。
とても、とても大事な過程です。
それに対してママが怒りたくのは、
- したいと思っていることができない時(自分の時間を奪われてしまっているように感じる)。
- 義務(だと思っていること)が果たせない時。
- それによって、自分が (周りの、ご主人の、自分自身が定めた)期待に応えられていないと思ってしまうと時。
- 世間体が気になる時。
などでは、ありませんか?
-
完璧にしようと思わない
完璧な子育てなんて、どこにも存在しません。
子どもは、一人一人違います。
ママとのコンビネーションもみなちがいます。お子さんが二人いたら、性格もママへの甘え方もいろいろな事への反応もみな違いますでしょう?
子どもが欲しいのは、怒鳴るお母さんではなく、楽しくて優しいお母さんです。
その時にできないことは、後に回せばいいのです。
それを非難する人がどこいましょう。多分、ご自分がご自分を責めてみえるだけでは?
カリカリ、ギリギリするよりも、穏やかな笑顔でご主人を迎えましょう。
部屋が散らかっていようが、台所が片付いていまいが、奥さんの疲れ果ててふて腐れた顔を見るよりも、奥さんがハッピーであるほうが、家庭の愛を感じるでしょう。
◎ 独りでしようと思わない
頼んでいいのです、人に。
たすけて〜〜〜!と。
迷惑をかけるとか思わず、人は、みな他の人を助けたい本能を持っている動物なので、助けてと言われたら、喜んで助けてくださるでしょう!
- 赤ちゃんは、二人の賜物です。そして、二人が子育てに負う責任は、まったく同等のものです。
- ご主人は外で仕事をして、家計を支えてみえるから、家事は、すべて奥さんの役目という考え方は、夫婦の間に亀裂を入れてしまう危険性があります。
- ご主人のいない間、奥さんには、1分の休みもなく、家事と赤ちゃんの面倒に時間を注入しているのです。だから、ご主人が家庭に戻られたら、家事のシェアは、まったく当たり前のことなのです。
- でも、ここで要注意。当たり前のこととして要求したら、うまく行くものもお互いに気分を悪くするだけになるかもしれません。
- 丁寧にお願いしてはどうでしょうか?
「お疲れでしょうが、あとで、… と …をしていただけたら、ありがたいわ」とか、「少し落ち着かれたら、赤ちゃんを見ていてくださる(あるいは、…ちゃんと遊んでいてくださる)? その間に、私が片付けますね」というように頼んだら、きっと喜んでしてくださるでしょう。
- 無理はしない。どちらも、その時にできる範囲でいいのです。赤ちゃん、子どもの成長はあっという間です。毎日変化があります。
赤ちゃんは、たった数ヶ月であっても、自分が毎日新しいことができるようになっていくことをとても楽しみます。
その変化をお子さんと一緒に楽しむことは、パパとママの最大の喜びでしょう。
そして、赤ちゃんもパパとママが一緒に喜ぶと、さらにハッピーになります。
-
時間を分担する
- ご夫婦が一緒に過ごせる日には、家族で一緒に時間を過ごすことも大事ですが、
- パパと子どもだけの時間
- ママと子どものだけ時間(これは、ほぼ1日でしょうから、あえてそれを設ける必要はないかもしれません)
- 子どもたちが少し大きくなって危険でなければ、子どもたちだけの時間
- パパとママの二人だけの時間
を意図的に作り、習慣化するといいでしょう。
子どもとパパとの時間は、お父さんと子どもがお互いに知り合い絆を作るのに大事であり、1日30分なり、1時間なり、毎日定期に持つことがとても大事です。
パパにも、赤ちゃん(子ども)の毎日の成長が見えます。
パパと子どもだけの時間は、ママとの時間とまた違ったものとなり、健全な成長が欠かせません。
この時間は、同時に、ママが独りになる時間を生み出します。
これは、ママの健全な精神を保つためには、とても大事なことです。その数時間は、友達に会ったり、趣味の好きなことをしたり、ジムに行ったり、本を読んだり、ショッピングに行ったり、毎日の中でできないことをするための時間です。
家事に使ったら、ダメですよ!
気晴らし、気分転換、自分を解放し、自分自身に戻る時間です。
最初は、罪悪感を感じるかもしれません。
家事をしなければいけないと思うかもしれません。
夫に申し訳ないと感じるかもしれません。
赤ちゃんといなければいけないと思うかもしれません。
でも、ママになる前の自分の時間、ママであることから離れた「自分自身」の時間を持つことは、極めて大事です。
- 育児に疲れてしまわないために
- いつもリフレッシュしたママでいられるために
- 子どもに当たることがないようにするために、そして
- 自分自身にハッピーでいられるように
そして、夫婦二人だけの時間。
夫婦関係を良いものに保つための基本です。
結婚前にデートしたように、二人で出られたら最高。
子どもを持つお友達夫婦がいたら、交替でそんな機会が持てるようにしてはどうでしょう。
定期的に、でも、それがどうしても無理なら、子どもが寝ついた時の静かな時間に、1週間に一度、二人が向かい合える時間、目と目を見て、いろいろな話ができる時間を持つことが、長期に渡って、互いに理解できる夫婦関係を維持していける秘訣です。
ところで、スマホは、どこかに置いておきましょうね。
スキンシップ、お忘れなく。
夫婦が夫婦である所以のその部分が欠けてしまうと、他がうまく行っていても、二人の関係が砂上の楼閣になってしまうかもしれないからです。
◎ 支援グループを作っておく
“It takes a village to raise a child”という言い回しがあります。(このブログで何度かご紹介しました。)
子どもは天からの授かり物。そして、子どもを健全に育てることは、社会全体が負っている役目です。
赤ちゃんを授かる家庭では、家族全員が協力体制を作ることが望ましいことです。家族全員の絆がいいものであれば、それは自然に起こります。
家族内に感情的な亀裂があると、その亀裂が、協力体制の邪魔となります。お姑さんを見ると、おっぱいが止まってしまう、という方は、決して少なくありません。
だからこそ、結婚前に、そして、赤ちゃんができる前に、自身の親子関係、そして、お舅さん、お姑さんとの関係を良いものにしておくことが極めて大事となります。
なぜなら、それは、子育てに影響するだけでなく、もし、その亀裂が普段の中で表面化しているものであれば、それは、一番大切なお子さんの心に、大きな傷を負わせることになるかもしれないからです。
ある高校生、自信がなく、自分は意味のない存在だと思っています。その原因は、思いがけないところにあります。
お母さんとお祖母様(お姑さん)の中が悪いのは、自分のせいだという罪悪感を背負って生きてきました。夏休みなど、お父さんの実家の田舎に遊びに行っても良い思い出が何もなく、いつも、お母さんが自分のために辛い目に遇わないようにと、いつも懸命にお手伝いし、お祖母様に仕え、自分へのお小遣いは要らないと遠慮し、それでも、まだ、二人の間が険悪なムードになると、自分が足りないのだ、いけないのだ、とずっと責めてきた、といいます。
その罪悪感のために、彼女は自分が家族にとって邪魔な存在だとずっと思ってきたのです。
お祖母様とお母さんの関係は、彼女が生まれる前からのもので、それは、二人の大人が解決すべきことで、彼女には、何の罪も無いし、罪悪感など抱く必要はまったくなく、そこから解放されるべき物である事を知ったことにより、その後、彼女は、学業やその他の活動において、また、人々との関係においても飛躍的な変化を見せるようになりました。
そして、お母さんとお祖母様の関係を良いものにするために、自分が人肌脱ぐ事にしました。家族は、彼女の小さな頃からの苦しみを知り、大変に後悔し、その後悔を、新しい良い関係を築く努力に回したのです。
縛られていた羽を解かれたその若者は、家族全員が幸せになったことで、長い間抱えていた心の鉛を捨て、今では世界を飛び回る活躍をしています。
支援グループは、学生時代の友達でもいいしょう。ママさんグループの友達でもいいでしょう。ご近所の方々でもいいでしょう。
本当にヘルプを必要とするかもしれない間、こんな場合には、という前もっての約束事を作っておくといいでしょう。
時間帯と長さ
ヘルプしてもらう事柄
謝礼(善意だけでは続けるのが難しいので、謝礼の形や中味を決めておくといいでしょう)
◎ 怒鳴ったり、たたいてしまった時:
咄嗟の危険を避けるため以外で、親が子どもを怒鳴る、たたくという行為は、
感情が抑えられないほどに昂った時。
落ち着いて説明する言葉がとっさにみつからない時。
その方が、しつけに効果があると考えている時。
親自身がそのように育てられた時、
などでしょうか。
ついつい感情が高まり、あるいは、とっさのことに手が出てしまった、というような場合。どうしたら、その瞬間を取り戻せるでしょうか?
子どもの目線までしゃがみ、しっかりと抱きしめ、愛していることを伝え、今起こったことを、怒りの入っていない落ち着いた声で、なぜ、そうなったかを説明します。
そして、怒鳴ったこと、たたいたことをあやまります。
その行為をして欲しくないことも伝えます。
子どもは、親が真剣に迎え合えば、真剣に聞き、真剣に応えます。
たたくという行為が残す傷は、以外に知られていないかもしれませんが、一生、記憶に残ります。
それも、親は悪くない、自分が悪かった、という形で。70歳になっても、80歳になっても、親の「暴力」を正当化し、それは、必要なことだったと言わなければならないほどに、強烈な記憶なのです。
成人した人々が感情的に不安定であったり、自分の近い人々(例えば、結婚相手や自分の子ども)に暴力を振るうようになる場合には、往々にして、小さな頃に暴力を受けた体験が裏にあります。
自分の親や近親、周りの大人に暴力を受けた子どもたちの魂は、とてもとても傷ついています。そこから抜け出るのは、簡単ではありません。
家庭内暴力を振るうある三十代の男性は、小さな頃母親に頻繁にたたかれ、学校ではクラブの先生に「ボコボコに殴られた」ということなのですが、「自分への愛情だったのだ」と言いながら、胸の中では怒りが燃え上がってくるとも言います。
暴力が納まったのは、ようやくその怒りを消す事ができてからです。
20年もかかって。
長くなりましたが、 今回は、ママに、家庭外でのお仕事がない場合の話でした。
キャリアを持ちながら、子育てとの両立をされて見える方々、一体、いかほどの奮闘をされてみえるのでしょう。次回で考えてみましょう。
ママになられたすべての方々に敬意を表するところで今回の締めとします。