【子どもは、好奇心のかたまり。何でもしてみたい】

 

子どもにとっては、すべてが新しいこと。

何をどうすればどうなる、なんて、まったくわかっていません。

 

小さな頃は、手に触るものはすべて口の中に。

汚い物や危険な物は、取り上げられる。

 

離乳食が始まり、少し経てば、自分でスプーンを握りたがる。

そして、起こること。

食べ物を投げる!

 

大人が反応すればするほど、おもしろがって、同じことをする。

 

動けるようになれば、手当たり次第、なんでも触ってみたい。

そして、してみたい。

 体の動きが許す限り。

 

大人からみたら、危なっかしい限り。

そして、もっと大きくなってくれば、大人が困るようなことをたくさんする。

 

でも、それは、大人を困らせるため?

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いえいえ、

 

子どもは、大人の思惑なんて、かまいません、顔色を見る時以外は。

興味の向くまま、好奇心の向くまま、してみたいことをします。

 

実は、これは、とても大事なことですよね。

 

なんでも、自分で、してみたい。

 

いたずら(大人にそう見えること)は、子どもの好奇心や想像力の発露です。

それによって、世界は、どんどんと広がっていきます。

 

やってみたくて、やってみたくて、しょうがないのです。

 

でも、ここで問題が発生します。

 

大人は、好き放題にされたら困るのです。

 

では、どこで、どのようにそれが困るいたずらとならないよう、でも、子どもの独創性をつぶさないように大人が介入したらいいか。

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子どもの自由な発想を大事にしたいと思えば、あれダメ、これダメは、その発想の芽を摘んでしまい、やがては、何にも関心を示さない子になってしまうかもしれません。

ある日、本当に自分がしたいことが見つかるまで。

 でも、それが見つからないまま、花を咲かせないつぼみのままの人生を送ることになりかねません。

 

 

もし、好き放題にさせたら。。。???

 もしかしたら、破天荒、爆発的、天才的な能力を発揮するようになるかもしれない。

 

でも、何をしてもまったく歯止めが効かない、そして、好きなことしかしない、と

てつもなくわがままな子になるかもしれない。

 

どこに、境界線があるのか。。。。

 

こんな例があります。

 

ある女学生。

口うるさいお父さんに辟易し、息が詰まりそうで、自由を渇望し、自分の人生を奪ってしまうような親から、一刻も早く逃げ出したいと、家から出ることばかりを考えていました。

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お父さんのことは、大嫌い。

 

大学に入り、ようやく自由を得た時に、ふと気付いたことがありました。

 

・ 自分は、他の大学生たちができないで困っていることがたくさんできる。

・ どこに行っても、礼儀正しいと言われる。そして、しっかりとしている、とも。

・ 大学の手続きやその他必要な事務処理は、みな誰かのヘルプを必要としているのに、自分は簡単にこなせる。

・ 授業の資料の整理は大得意。

・ ゼミのプロジェクトなど、 簡単に先が見えるし、準備や計画が立てられる。

・ 提出物など、一度も遅れたことがない。

・ 独り暮らしの生活で、部屋の整頓も料理も買い物も、困ることは何もない。

・ 無駄を一切出さない。

・ 常に用意周到。

 

そして、理解したのです。

それが、全部お父さんからの贈り物だったことに。

 

あれだけ嫌いだったお父さんが、神様みたいに見える。

それからは、毎日が感謝の連続となりました。

 

 

 

あるお母さん。

 

「子どもは自由に育てなさい。ダメと言って芽を摘んではいけません。」と幼稚園の園長先生に言われ、なんでも子どもの思うようにさせました。

 

砂場の砂をリビングのカーペットに運び込んでも、決していけないとは言わず、何度も掃除機を詰まらせてしまっても,子どもが飽きるまで続けました。制限は、生活のすべての場面において無かったのです。

 

すばらしく才能に満ち、頭も切れる。小学校は勉強などしなくてもクラスのトップ。中学になって、成績は、がた落ち。勉強する姿勢が無い、言われて始めても続かない。先生の先を回って余計な発言するから問題児扱いされるようになり、日本の教育は息苦しいとアメリカに留学しました。

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何をしてもよくできるのです、ある程度までは。

でも、才能を活かすところまでは行かないのです。

なぜなら、努力をしないから。

努力ができないから。

 

だから、学校も卒業しないまま、10年以上もなんだかんだと仕送りを続けてもらい、最終的に仕送りが止まったところで帰国。

 

英語はペラペラ、ネイティブとほとんど変わらず、でも、日本語がきちんと話せなくなり、日本の礼儀を忘れてしまった青年は、定職を探すことができず、アルバイトをしてもどこも長続きせず、親の臑をかじり続けた生活をしています。

 

億に近い投資は、水に消えた形です。

 

小さな頃に「けじめ」を教えてもらっていない結果だと言ったら、言い過ぎでしょうか。

 

原因のひとつには、お母さんにとっては、 子どもに注意を与えたり、叱ったり、行動を制限するよりも、「子どもが好きな事を好きなようにやらせておいたほうがラクだった」というお母さんの性格があり、そして、「子どもに嫌われたくなかった」という考え方がありました。

 

そして、その性分により、何年も勉学に従事していないことを薄々わかっていたにも関わらず、子どもからの送金の求めが絆の証しであると感じられるために送り続け、結局は、子どもが自律/自立できるチャンスを妨げてしまう結果となったのです。

 

では、一体、どこで、小さな頃の「けじめ」を付けたら良かったのか。

 

砂遊びは、とても分かり易い例です。

砂場の外には、砂を持っていかない、というのがけじめであり、砂場の枠がバウンダリーとなります。

 

留学も結果を出さない時に、条件付けの約束事を作り、それを守らせたら、次の10年は、もっと生産的なものとなっていたのではないでしょうか。

 

恐らく、生活の全領域で、必要とされていた「けじめ」「バウンダリー」が無かった結果です。

 

子どもは、一人一人みな、違います。

 

だから、遊びも、することも、言う事も、みな違い、それが個性となっていきます。

 

その個性は大事にすべきです。

 

でも、その一方で、人生の最初においては、従える形や決まりが要るということです。その形は、子どもが作るものではなく、親御さんにしかできないものです。

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幼稚園や学校にあがれば、明確な決まりがあります。

 

それに従わないと、子どもは叱られることになるし、親な恥ずかしい思いをするし(もっとも、昨今は、親が先生に食って掛かるようなのですが)、ちゃんと従っている子どもたちが迷惑するし、先生にも余計な負担がかかります。

 

この一定の決まりを家の中に作ることによって、子育てがらくになり、そして、将来の様々な問題を予防することができます。

 

前提

子どもが生まれる前に、どんな家庭にしたいか、どんな子どもに育てたいかを夫婦でしっかりと話し合っておく。

 

実際にしたらいいこと

      どんな子どもに育って欲しいか、方向性を定める。

       明瞭であること。

 

      そのために有効な決まりを作る。

       一貫性を保つこと。

       夫婦の間でも、その決まりは、有効。

 

      決まりの実践

       父親、母親がモデル。

       親ができないことを子どもに求めることはできない。

  けんかするなと子どもたちに言っても、夫婦が言い争っていたら効き目はない。

  親に生意気な口をきくなと言っても、親が切れ、子どもにどなりつけていたら、親の言葉は無意味。

  外で取り繕っても、家の中で違う態度を見せるのであれば、子どもは取り繕うことを覚え、真に大事なことを学び損ねてしまう。

 

      制限枠を設ける。

ここまでは自由、でも、これを越えてはならないという線が必要。そのけじめが人生の小さな頃から示されていると、子どもは、何がよくて何がダメなのかを明確に理解する。

 大きな自由を最初に与えておいて、問題が発生してから枠を設けても抵抗と反発が起こるだけ。

 枠は、最初は小さく。そして、成長に伴って、徐徐に広げていく。

 

 

思春期になってから

 以上のことが小さな頃から習慣付けられていると、思春期になってからの親子関係をとてもいいものにしていくことができます。

 

      ルールや決まりを説明する。

       例えば、スマフォは夜ベッドに持っていかない、と決めるとしたら、

       なぜそれが大事なことかをしっかりと説明する。

       睡眠不足、視力の低下、電磁波の頭脳や体への悪影響などが起こる危険性とそれを防止することの大切さをわかりやすく伝える。

 

      一緒にいろいろな案を模索し、考えてみる。

       親子で真剣に、穏やかに、誠意を持って、話し合う。

       親の見解も、子どもの見解もよく見えてくる。

       互いへの理解が深まる

 

      選択と決断は子どもに任せる。

       それによって、子どもは、自分の決めたことに責任を持つようになる。

       自分の人生であることを意識していく。

       両親の信頼を感じ、信頼に応えようとする。

       パワーと自信を得る。

 

そうして、徐徐に、自立の道を確立していくようになります。

そして、家庭内の不和やストレスは、起こさないで済むようになります。

どうぞ、それぞれのご家庭で実行してみてください。

 

 

投稿者: 原田房枝

An author, life coach, counsellor, and co-founding director of ICET (Inter-Cultural Education Today), a specialised program for Japanese students studying in Australia. Over twenty years she has worked with hundreds of students and parents, establishing a unique education program focused on language learning, as well as cultural understanding and personal development. Her coaching seminars guide families in how to strengthen their relationships and build happiness, especially with teenagers. She has lived in Sydney since 1980.

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