大変、興味深い動画があります。
啓蒙家、企業のリーダー研修などを行っているサイモン・シネック(Simon Sinek)氏が、ミレニアルズの特徴(西欧の場合、そして、特にアメリカ)と彼らが必要としていることを述べたものです。
https://www.youtube.com/watch?v=5MC2X-LRbkE
1984年以降に生まれた人たちとここでは特定しています。
内容を簡単にまとめてみました。
特徴がたくさんあげられていますが、特に、目立つことは、
- その前の世代の人々にとっては御し難い
- 自分たちの権利を要求する
- 企業でとても大事にされているのに、それでもハッピーではない (ここでのハッピーというのは、これという不足も不満もないかわりに、本当の喜びを覚えていないという意味で使われています)
企業に入っても、自分の居場所を見つけられず、自分がインパクトを与えられないと、短期間で辞めてしまう。
日本でも、10年ほど前に「若者たちはなぜ3年で辞めるのか」という本が出版され、若者たちが職場を去る理由が考察され、それ以後、毎年4、5月になると、このことが話題になるのだそうですが、ネットに掲載されている関連記事をいくつか読んでみました。
日米の捉え方の違いがおもしろいです。
シネック氏は、「大学を卒業し、企業に入って充分に働けるだけの社会的能力や姿勢を養っていない若者の未熟さに原因があるとし、企業や会社が、彼らを支援できるよう、再教育しなければいけない」と言っています。
生活するということをまったく準備できないままに社会に出て来る、と。
一方、日本は、記事の筆者の年齢、立場にもよるでしょうが、終身雇用制の名残や年功序列の根強い考え方や制度的なものに若者の才能が潰されてしまっているという若者を擁護する立場が多いようです。
「生きる力」の持たない若者たちは日本だけでなく、アメリカや豪の若者たちの多くも同様であるのですが、それをどう見るかの違いは、とても興味深いです。
個人の責任は個人にありとする文化と、 弱者を包み庇う文化の違いなのかもしれません。
シネック氏は、未熟性は、4つの原因によるものだとしています。
- 子育ての失敗
- テクノロジー
- 忍耐性の無さ
- 環境
子育てについては:
あらゆるところで親に庇護され、親が交渉し、文句を言うので、学校での成績さえも本来の力ではなく脚色され、大学でも進級できないレベルに進んだりするために、本人の自尊心が他の世代と比べて低い。
「あなたは特別」「望みさえすれば何にでもなれる、何でも手に入る」と親に言われ続け、社会に出た途端に、自分が特別でもなく、欲しいものが手に入るわけではないことをぎゃふんと悟る。そして、自尊心はさらに落ちる、と言っています。
少し、話がずれますが、ここで私は、あることを思い出しました。
私は、「どの子もスペシャル」と若者たちに言い続けてきています。
10年以上も前になるかもしれませんが、「彼らはスペシャルではない。スペシャルと言うな!」と日本で英語を教えてみえるあるアメリカ人の先生に言われたことがありました。
スペシャルというのは、何か偉大なことを成し遂げたとか、卓越した能力を持っている時に使う言葉だ、と。
「あなたのお子さんは、あなたにとってスペシャルではありませんか? スペシャルでしょう? どの子もみな、スペシャルなのです、生まれてきたこと自体が」、というのがその時の私の答えでした。
短い命の億単位の精子のたったひとつが卵子と出会い、細胞分裂して1人の人間となっていく人間の機能も過程もその後の成長も、そのすべてがもう奇跡です。そして、生まれるまでには、様々な危険があります。生まれてからも危険がたくさんあります。だから、たくさんの人々の愛情を受けて大きくなってきていることは、とても特別なことなのです。
そして、そのように特別な存在だからこそ、自分を大事にしなければいけないし、同じように特別である他の人たちを大事にしなければいけない、と高校生たちに言っています。
昔も、そして、今も変わらず。
シネック氏が言うような、ギャフンが、彼らには起きていないだろうし、逆に、「自分が特別であることを知って、それが心の軸になっている」と言う若者が少なくありませんので、みな、自分に誇りを持って生きているだろうと信じているのですが(笑)
テクノロジーについては:
ソーシャルメディアは、なぜ、中毒になるのか?
反応があるといい気持ちになる。幸せと感じるドーパミンが出るからだ。
それは、アルコールやタバコやギャンブルと同じ。
(コーラなどのソフトドリンクやジャンクフード、甘いものなども同じです)
アルコールやタバコには、年齢制限がある。
初めて触れるのは、通常、ティーンになってから。
でも、スマフォには、年齢制限が無い。
ストレスや不安にどう対処していいか知らない。
友達との関係は表面的で、本当に意味のある人間関係の築き方を知らない若者たちがあまりにも多い。
だから、デバイスに一時の居心地の良さを求めることになる。
フェースブックでの時間が多い人たちほど、少ない時間しか使わない人たちと比較して、「うつ」になる率が遥かに高い。
食事時間にもスマフォを離さない。
朝起きたら何よりも最初のスマフォのチェック。
会議の最中でもスマフォがそばにある。
これみな、中毒だから。
とシネック氏。
実際この傾向が、デバイスが小さな頃から手元にあるiジェンには、顕著に表れてきていることは私も目撃しています。
でも、これが回避不可能なものではないことは、中毒になっていない若者たちも多数いることが証明しています。そして、そういう若者たちは、まったく別の世界を開いていきます。
そうならない方法を知りたいですよね。。。
実際にこれは、火急の問題なのですが、それには、いろいろな要素が絡み合い、そして、タイミングが極めて大事となってきます。